ひふみん、数々の“一二三伝説”の真相を語る ―『勝手に電気ストーブ伝説』について
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ryomiyagi

2019/11/01

 

将棋界のレジェンド・加藤一二三九段のエッセイ『一二三の玉手箱』(光文社知恵の森文庫)では、数々の「伝説」についてご本人がマジメに真相を解説しています。
今回は、テレビ番組でも取り上げられたことのある『勝手に電気ストーブ伝説』(※)について。対局中の室温へのこだわりと相手への気遣いが“伝説”につながったとのことです。

 

【本人の証言】

 

電気ストーブを使って対局することのメリットは、まず音が静かです。それに、とても部屋が暖かくなるのです。

 

メーカーによっても違うのでしょうが、将棋連盟の天井に設置されている暖房器具は若干ですが音がするのです。もし将棋会館ができるときに私が責任者であれば違う機種にしたと思うのですが、そうではなかったので、そのとき一緒にセットされた暖房器具が現在も使われています。

 

ストーブについては、こんなこともありました。

 

寒い日も電気ストーブを置くと、暖かくて快適になります。対局には当然相手もいて、相手にも私と同じように暖かい熱がいくようにと思い、同じ距離に電気ストーブを用意しました。

 

私としては自分だけが暖かい思いをして、相手が寒いのであればいけないと思ったのですが、相手からすれば私が盤外作戦をしていると受け取ったらしく、「自分の顔にストーブの風があたるので、やめてください」と真剣にいわれました。

 

私はあわてて「はい、わかりました」と返事をして、自分のほうにだけストーブをあてるようにしました。

 

ちなみにですが、私自身がいいと思っている部屋の温度は24 度です。23度だと少し寒いですし、25度では少し暑いです。

 

室温にはこだわりがありまして、これまで3回ほど、ストーブをもち込んだことがあります。

 

ですが、なぜだか3回ともストーブを断られていて、そして3回とも私が負けています。

 

※『勝手に電気ストーブ伝説』とは?
東京の将棋会館で対局中にひどく寒さを感じた加藤一二三九段。
加藤一二三九段はそこでいきなり部屋を飛び出し、なんと勝手に電気ストーブを持ってきてしまったことがあるとか。

 

この記事は『一二三の玉手箱』(加藤一二三・著)より、一部を抜粋・要約して作成しています。

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加藤一二三(かとう ひふみ)

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