akane
2019/11/20
akane
2019/11/20
――前編ではいろいろ衝撃の告白がありましたが…ところで今では自分の顔を好きになれた?
だいぶ受け容れられるようになりました。2年半前に出させてもらった写真集『自由ということ』が大きなきっかけでしたね。このお仕事で、ペアとかグループ撮影ではなくて、初めてスタッフのみなさんが私一人だけを一日中追いかけ、切り取ってくれるという体験ができたんです。とにかく楽しかった思い出しかないし、素の自分を撮ってもらえて、アイドルや写真撮影に苦手意識のあった自分の自信にもつながりました。
――そして待望の2冊目の写真集を出すにあたって、何か自分の変化を感じますか?
正直自分ではよくわからないんです。でも、写真を見てくれた周囲の人から、笑顔がやわらかくなった、すごく楽しそう!とたくさん言ってもらえて。あと、表情が豊かとか、同じ表情がひとつもない、と言ってくれる人もいました。そんなこと思ってもいなかったので、嬉しかったですね。1冊目のときからいろいろ経験を重ねて、また一歩撮られることに慣れたのかな…? 卒業して、少し気持ちが軽くなったのかもしれないです。写真集の最後のほうに細かいカット割りのページがあるんですけど、たしかに何だか私とは思えないくらいいろいろな顔をしていますね(笑)。
――タイトルは自分で決めたという話を聞きました。
編集さんがいくつか挙げてくれた候補の中から、表紙の写真とのバランスやフィーリングで選びました。私、よくも悪くも目が印象的と言われることが多いんですけど、それが桜井玲香のチャームポイントだと言ってもらえて。今までそんなに顔のアップの写真が好きになれないでいたから、嬉しかったなあ。それと、私のインタビュー記事をずっと読んでくれているスタッフさんから、昔私が「視る」という言葉をキーワードに話していたことがあると教えてもらって!
――なんと!
5年前、卒業した同じ1期生の若月佑美との対談ページだったらしいんですけど、彼女が「いつも周囲をキョロキョロしている」と私のことをイジってきたのに対し、「キャプテンとしていつもグループ全体に目配りしているの!」とムキになって言い返していたんだそうです。たしかに私、みんなの先頭に立ってぐいぐい引っ張っていくタイプのキャプテンじゃなかった。その代わり、調子が悪そうだったり、悩んでいたりするメンバーを誰よりも早く見つけるのは得意でした。たしかに「視線」をいつもグループに注いでいたのかもしれないなって。
――無意識のうちにこのタイトルを選んでいたかもしれない…?
そうなんです。今思えばなんですが。
――この写真集の後のお仕事について聞かせてください。
ひとつはこの『視線』と同時に発表させていただいたファッション誌「CLASSY.」のお仕事です。モデルってやりたくてできるものじゃないとずっと思っていて、チャンスをいただけたこと自体がとても光栄です。私の新しい可能性を見つけてくれたと思っているし、何よりファンのみなさんが自分のことのように喜んでくれるのが本当に嬉しい。CLASSY.のメークが私によく似合っているよ、綺麗だよって。まだ撮影を2回しか経験していないけれど、新しい出会いの連続で、これからがもう楽しみで仕方ないですね。
――まさに今、舞台にも出演中ですよね。
舞台のお仕事はとにかく大好きなんですけど、今公演中の「ダンス オブ ヴァンパイア」はけっこう難しい役で…。でもこれを乗り越えないと女優としてこの先のお仕事はないと分かっているので、とにかく食らいついて、ぶつかっていくだけです。そう、まさに乃木坂46を卒業した今、デビューしてから初めて、ようやく自分の未来だけを「視る」ことができているのかもしれないなって思います。ただ私はあまり器用なほうじゃないから、目の前のことで精いっぱい! ひとつひとつ乗り越えていきたいですね。
桜井玲香 2nd 写真集『視線』
撮影 三瓶康友
PROFILE
さくらいれいか/1994年5月16日生まれ。乃木坂46の初代キャプテンとして7年半務め、2019年9月1日をもって卒業。現在は女優、月刊誌CLASSY.モデルとして活躍。2冊目の写真集『視線』(光文社)が11月27日に発売。
衣装:ブラウスとパンツ/ともにプールスタジオ アリヴィエ イヤリング/アネモネ
撮影/長谷川新 ヘアメーク/野口由佳(ROI) スタイリング/中村真弓 取材・文/田頭 晃(本がすき。)
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