本の森セルバBRANCH岡山店
1986年、岡山県生まれの水がめ座。担当は文芸書、児童書、学習参考書。 本を開けば人々の声が聞こえる。知らない世界を垣間見れる。 本は友だち。人生の伴走者。 本がこの世界にあって、ほんとうによかった。1万円選書サービス「ブックカルテ」参画中です。本の声、きっとあなたに届けます。
2021/08/10
『琥珀の夏』文藝春秋 辻村深月/著 子ども時代の記憶とは、なんと脆く曖昧なものだろう。思い出せる記憶すら、膨大な日々のごく一部にしか過ぎず、小さな身体に収まる容量分しか保存できてはいない。 し […]
2021/08/02
『ハイドンな朝』ナナロク社 田口犬男/著 真実というプラカードを掲げ 真理という旗をはためかせたって そこにあったものはすでに立ち消えた 言葉をかざした途端に 風はやみ 唄は消え 遥か遠くに […]
2021/07/16
『にぎやかな落日』光文社 朝倉かすみ/著 どんなに辛いことでも覚えてるほうがいいワ。ついさっきのこと、ついこないだのこと、忘れたことからして忘れるのは、大した気味が悪いよ こう語 […]
2021/06/10
『たまごのはなし』ブロンズ新社 しおたにまみこ/著 自分のなかにある、こころのありかをしる。 こんなことは一生にいちど、経験できるかどうか分からないような奇跡だわ。 こころが、こ […]
2021/05/13
『クララとお日さま』早川書房 カズオ・イシグロ/著 土屋政雄/翻訳 クララにとってお日さまは、特別なものでした。 AFであるクララにとってお日さまの光は、大切な栄養源なのです。 でも、それだけ […]
2021/04/26
『スモールワールズ』講談社 一穂ミチ/著 光を浴びることでしか輝けないネオンテトラが、水槽のなかを漂うように。 ビニール袋に入れられた金魚が酸素を求めて水面に顔を出すように。 小さな箱の中で、 […]
2021/04/14
『いつか あなたを わすれても』集英社 桜木紫乃/文 オザワミカ/絵 今年も桜が咲きました 薄桃色の花びらが風に舞い ふわり浮かんで飛んでいきます 桜を見ると思い出すのです 一年前のあの頃を […]
2021/04/12
『灰の劇場』河出書房新社 恩田陸/著 無数に立ち並ぶビルの狭間から見上げる空は、今にも雨が降り出しそうだった。梅雨の合間の雲に覆われた空。じきに降り始める雨は、ビルの灰色をより濃く染め上げるだ […]
2021/03/22
『ひとりが好きなあなたへ2』幻冬舎 銀色夏生/著 その日、僕が受け取ったのは「目には見えない手紙」だった。けれど目には見えないはずなのに、僕の目にはたしかに見えた。いや、感じられたといった方が […]
2021/03/05
『BESTARS』秋田書店 板垣巴留/著 俺と彼女の恋は、命がけの恋だった。誇張でもなんでもない。それは、俺が肉食獣で、彼女が草食獣だからだ。捕食者と被食者。獰猛な獣と、柔く脆い命。彼女を殺し […]
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