ゴジキが振り返る2010年代の高校野球(2015年春)
お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

ryomiyagi

2020/08/17

新型コロナウイルスの影響で中止となった今年の春のセンバツ、夏の甲子園。代替案として「甲子園高校野球交流試合」が開催されることになりました。高校野球ロスを取り戻すために、お股クラスタの1人でもあるゴジキ氏(@godziki_55)に2010年代の高校野球界を振り返ってもらうプレイバック企画。

 

 

■2015年春のセンバツ 優勝:敦賀気比(福井、初優勝)

 

2014年夏の悔しさを晴らした敦賀気比

 

この年のセンバツは、2014年夏に4強入りした平沼翔太などのメンバーを中心に敦賀気比が優勝を飾った。準決勝以外はいずれも3点差以内の接戦だった。

 

大会序盤はエースで4番の平沼や篠原涼を中心に勝ち上がり、準決勝は2014年夏で逆転負けを喫した大阪桐蔭との対戦になった。

 

敦賀気比側からすればリベンジを果たしたいところ。大阪桐蔭の田中誠也は序盤から疲れもあり、球の走りなども良くなかった。ここで大会のラッキーボーイ的な存在になったのが、松本哲幣だ。この試合で田中から2本の満塁ホームランを放ち、平沼を大量援護。宿敵の大阪桐蔭に勝利して決勝進出を決めた。

 

そして、決勝の東海大四戦でも松本が活躍した。試合自体は平沼と東海大四の大沢志意也の投手戦となったが、8回裏にこの大会ノっている松本が決勝点となる2ランホームランを放ち、チームを優勝に導いた。平沼や篠原と言った軸となる選手とラッキーボーイ的な存在になった松本が上手く合わさり、センバツの頂点に立った。

 

王者大阪桐蔭がまさかの大敗

 

前年夏の覇者である大阪桐蔭は、東海大菅生の勝俣翔貴を打ち崩す打力やエース田中誠也を中心に、順調に勝ち上がった。準々決勝の常総学院戦も劣勢の中で終盤に畳み掛けて逆転勝ちを収め、夏春連覇まで2勝まで迫った。

 

しかし、エース田中は常総学院戦から明らかに球威が落ち始めており、準決勝以降の投球が心配されていた。そして実際、準決勝は疲れからか初回からランナーを出し、最終的には松本に2本の満塁ホームランを打たれてマウンドを降りた。

 

大阪桐蔭がこれほど一方的に敗れた試合は非常に珍しかったが、ここまで投げ抜いていた田中を含めて重圧があった中、準決勝まで勝ち進んだ実力の高さは確かなものであった。

 

好投手を攻略してベスト4に勝ち上がった浦和学院

 

2013年のセンバツで優勝していた浦和学院。この年のセンバツは派手さこそなかったものの、県岐阜商の高橋純平や龍谷大平安の高橋奎二と言った好投手を打ち崩してベスト4に勝ち上がった。
センバツでは非常に高いパフォーマンスを見せる浦和学院だが、春季大会でも準決勝で東海大相模の小笠原慎之介を攻略した勢いで優勝をしている。

 

この世代はあの選手もいた

 

この大会、県岐阜商から後にソフトバンクホークスに入団した高橋純平が大会No.1投手だったのは間違いない。150km/hを超えるストレートで2試合連続二桁奪三振を記録し、チームをベスト8に導いた。
また、龍谷大平安の高橋奎二も2014年のセンバツでチームを優勝に導いた投手であり、この年のセンバツでもベスト4に勝ち上がった浦和学院相手に好投を見せた。
東海大菅生の勝俣翔貴も、敦賀気比の平沼のように投手としてはもちろんのこと、打者としても高く評価されていた選手であった。

お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)

野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、様々なデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配に関してTwitterでコメントし続けたところ、25,000人以上のスポーツ好きにフォローされる人気アカウントとなる。 プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもTwitterで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴』がバカ売れ中。大のサッカー好きでもある。
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