akane
2019/07/04
akane
2019/07/04
食品の「カロリー」を低下させるのに最も簡単な方法は、脂質の量を減らすことである。
脂質は1g当たり9キロカロリーと考えられている。
では、その代わりに、普通は何を増やすことになるか?
そう、糖質である。
糖質のカロリーは、1g当たり4キロカロリーと脂質の半分以下である。
脂質の代わりに糖質を入れれば、甘くおいしくなるだけでなく、「カロリーオフ」となる。
しかし人間の体は、カロリーが少なくなったのに、糖質が増えたおかげで、インスリンをたくさん分泌しなければならなくなる。すると、体に蓄えられる脂肪が増加するのである。
低カロリーの食品は決して減量に向いているものではなく、事実は逆で、糖質が多くなる分、体重の増加に寄与するのである。
糖質が入っていなければ、インスリンは分泌されず、摂取した脂質や体の中の脂肪はエネルギーとして使われる。
しかし、糖質と脂質を一緒に摂取すると、インスリンの作用で脂質は溜め込まれ、体の脂肪の分解は起こらず、糖質も脂肪に変わる。
糖質制限での食事が、高脂質の食事であるにもかかわらず、大きく体重が減少するのは、このような理由によるのである。
バターを練り込んだクロワッサンや、バターを塗った食パン、オリーブオイルたっぷりのパスタなど、糖質と脂質を同時に摂取する食事は、どんどん体の脂肪を増やしていく。
よく、肥満の人がマヨネーズを愛用していることが多いので、マヨネーズが肥満のもとのように考えられているが、それは間違っている。
肥満になる人が、糖質たっぷりの食品の上にマヨネーズをかけて食べているので、体重が増加するのである。
マヨネーズ単品であれば太らない。マヨネーズに罪はないのである。
もう一度確認する。
脂質を摂取するから体の脂肪が増えるのではない。
糖質を摂取してインスリンが分泌されるから、摂取した糖質が脂肪に変換され、摂取した脂質がそのまま体の脂肪になるのである。
私は糖質制限をしているが、100g以上の脂質を食べても体脂肪は増加しない。
脂質ではなく、糖質の摂取量に応じてインスリンが分泌され、それに応じて体の脂肪はどんどん増加するのである。
肥満は糖質過剰症候群の最も代表的なものである。
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以上、『「糖質過剰」症候群――あらゆる病に共通する原因』(清水泰行著、光文社新書刊)から抜粋・引用して構成しました。
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