図書室司書
都内の私立高校図書室で司書として勤務中。 図書室で購入した本のPOPを書いていたら、先生に「売れている本屋さんみたいですね!」と言われたけど、前職は売れない本屋の文芸書担当だったことは秘密。 本屋を辞めたら新刊なんか読まないで持ってる本だけ読み返して老後を過ごそう、と思っていたのに、気がついたらまた新刊を読むのに追われている。
2021/06/11
『透明な夜の香り』集英社 千早茜/著 かなりひどい花粉症で、春先になると鼻が詰まる。 だったらニオイがわからなくなりそうなものだけど、なぜか逆に敏感になる。 駅のベンチで背後に座る人が入れ替わ […]
2021/05/20
『犬と猫 ペットたちの昭和・平成・令和』毎日新聞出版 小林照幸/著 去年の春は自宅待機日が多かったので、飼犬を連れて延々と散歩をしていた。 朝はベンチや遊具が物々しく封鎖された公園をあちこち巡 […]
2021/04/26
『いつの空にも星が出ていた』講談社 佐藤多佳子/著 スポーツ全般にまったく関心がないのだけれど、スポーツを題材にした小説は好きだ。 特に野球もの。 伝説の外野手を甦らせるために農夫がトウモロコ […]
2021/03/24
『鬼才 伝説の編集人 齋藤十一』幻冬舎 森 功/著 神楽坂のはずれ、矢来町に曲がってすぐに新潮社の社屋がある。 実家が神楽坂の小料理屋だったので、掛け取りに行く親に連れられてよく行った。 本館 […]
2021/03/03
『銀の夜』光文社 角田光代/著 唐突だが、サリンジャーの話から始めたい。 「ナインストーリーズ」を初めて読んだのは小学校高学年の時。 皆が読むサリンジャーを我も読んでみんとして文 […]
2021/02/12
『とわの庭』新潮社 小川糸/著 目が見えないわたしはいつも母さんといっしょだった。 その胸に抱かれ、その心臓の音を聞き、その声を聴いて育った。 母さんだけが、わたしの光で、すべてだった。 わた […]
2021/01/29
『病魔という悪の物語』筑摩書房 金森修/著 昨年来、感染症をテーマにした文学作品が再読再評価されることが多くなった。 コロナ禍がなかったら2006年に刊行されたこのノンフィクションがいま話題に […]
2020/12/03
『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』昭文社 デイビッド・セイン/監修 アメリカ大統領選挙のニュースを見るたびに気になっていた。 ペンシルベニアが。 メディアが大統領選の激戦区と […]
2020/11/18
『類』集英社 朝井まかて/著 文京区の千駄木に森鴎外記念館がある。 鴎外が住んでいた屋敷、観潮楼の跡地だ。観潮楼が失火で焼け落ちたのち、記念館が建つまでは公園として使用されていたが、その片隅に […]
2020/10/09
『異人たちとの夏』新潮社 山田太一/著 今年の夏は中抜きされたような夏だった。 例年以上の熱波は訪れたけれど、海や山を楽しむこともままならず、わくわくした開放感のない、淋しい淋しい夏だった。 […]
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